商品を輸入して日本で販売する場合、会計処理をする際に注意しなければならない点がいくつかあります。知らなかったは通用しません。ポイントを押さえて正しい経理処理を行いましょう。正しい知識が無ければ正しい申告は出来ませんが、経理の知識がある方向けに書いておりますので、理解が難しい点もあるかもしれません。ご自身で理解が難しい場合には、ぜひ当事務所にご相談ください。

〇仕入の計上基準

店舗で商品購入する場合には、商品の引取りと代金の支払が同時になり、購入した時に商品仕入として処理できます。しかし商品を輸入仕入する場合には、発注から納品までに早くても数日、場合によっては数ヶ月かかる事もあります。例えば商品を発注し、1か月後に商品が届き、その1か月後に代金を支払ったとします。この場合には、仕入をいつ計上するのでしょうか?
国内取引では商品の納品時に仕入計上を行うのが一般的ですが、輸入取引では輸出者が商品を船積した時点で仕入計上を行うのが一般的です。先方からは出荷したけれど自社に届いていない分は、仕入計上する必要がありますが、未着品として在庫にも計上しなければなりません。
商品仕入のタイミングがいつになるかは、その期の利益がいくらになるか=税金がいくらになるかに直結する部分なので、とても大切です。商品の仕入販売を行う事業者の税務調査では、どういう基準で売上や仕入を計上しているのか、その基準通りに売上や仕入が計上されているかを必ずチェックされます。特に期末日前後の売上や仕入は念入りに調査されます。期末日前後に多額の売上や仕入があって、誤った処理をしていると影響も大きくなります。ポイントを正しく押さえて、意図せず多額の納税を求められる事が無いように、しっかりと準備しておきましょう。発注しただけで手元に届いていない商品や期末に売れ残っている商品は、今期の経費に出来無いので注意が必要です。

〇為替の問題

商品の国内仕入販売では、代金の支払が納品時なのか1か月後なのかは、資金繰りに影響しても経理の処理方法は変わりません。しかし輸入販売の場合には外貨建ての取引となる場合が多く、納品時と支払時で為替レートが変動する事がほとんどです。仕入計上時に、外貨建ての買掛金額は確定しますが、支払時に為替レートが変動した分は、為替損益を計上する事になります。また支払が外貨建の場合は、実際に為替損益が発生していませんが為替損益を計上します。その際に利用する為替レートは何パターンか選択が可能です。詳細はご相談ください。またこの為替損益の消費税は不課税となる点にも注意が必要です。

〇関税と消費税

商品を海外から輸入した場合、商品を受取る際に税関で輸入申告を行い、関税や消費税等の税金を支払います。(代行業者に依頼する場合は代行業者が代わりに行います。)税込経理の場合は関税も消費税も仕入高として処理し、税抜経理の場合は関税を仕入高として処理します。(税抜経理の消費税の処理方法は、ここでは割愛します。)また輸入の際に支払った消費税は、税率10%分を国税7.8%と地方税2.2%に分けて経理する必要があります。国内で購入した際の消費税も国税と地方税に分かれていますが、国内分の消費税は分けずに合計で処理する点が異なります。(これは、国内仕入と輸入仕入で消費税の計算方法が異なっているためです。)

〇期末の棚卸品

期末時点で残っている商品は棚卸品となりますが、関税や消費税も含めた金額で期末棚卸高を計算します。関税を租税公課としている場合には、期末棚卸品の関税や消費税の分だけ棚卸高が過少になり、当期の費用が多くなってしまいます。そのため関税や消費税を仕入高として処理するのが一般的ですが、租税公課として処理した場合には期末分に対応する分を振替える必要があります。
当事務所では、売上高10億円超の輸入販売業者を含め、多くの輸入業者様からご依頼頂いています。輸入販売業者に強い税理士をお探しの方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。