日本で物を買ったりサービスを受けたりすると消費税が課されます。(非課税など消費税が課されないものも一部にあります。)
外国人旅行者が日本で物を買ったりサービスを受けたりしても、課税されます。しかし日本から物を輸出したり外国人旅行者がお土産を持ち帰る場合には、それらは国外で消費されますので消費税が免除されます。この消費税が免除される事を消費税の免税と言います。輸出品等が消費税を免税されるのは、消費税を導入している国が多く消費税の二重課税を避けるために、消費された場所で課税すると考える原則(消費地課税主義)があるためです。
一時期、中国人観光客などによる『爆買い』がよく話題になりました。中国で人気がある日本製品を、中国人観光客が日本で大量に購入し持ち帰る事ですね。外国人旅行者など(非居住者)が、お土産等を免税で購入出来るのがこの『免税店』です。免税店では消費税が免除されるため、消費税の分だけ安く購入する事が出来ます。(残念ながら日本に住んでいる方は、安く購入できません。)そのため、事前に税務署に届出書を提出して許可を受け、販売する際にも特別な手続きをする事が求められています。
リファンド方式(後日払戻し方式)とは、訪日外国人旅行者が日本国内で商品を購入する際、店舗では税込価格で支払い、その後、消費税分を返金(リファンド)する仕組みです。消費税分の返金は、購入者が購入から90日以内に出国をし、出国時に税関の確認を受け、店舗が税関の確認情報を取得した後に、店舗から購入者に消費税分を返金します。
これまでは店舗での販売時に税抜価格で販売する方式でしたが、輸出物品として販売されたにもかかわらず国外に持ち出されずに国内で消費されるなど、不正還付が頻発したために、抜本的な改正が行われました。
この方式では、販売時点では通常の商品販売と同様に、税込価格での会計が行われるため、店舗は特別な販売方法や価格表示の変更を行う必要はありません。購入者は購入後に所定の方法で免税販売事業者に申請を行い、手続きが完了した後、消費税分が返金されます。返金方法は、クレジットカードへの返金、指定口座への振込、空港の専用窓口での現金払い戻しなどの方法が考えられます。購入者にとっては、購入時に一時的に消費税分を支払う必要があるものの、出国後に返金が受けられるため、これまで通り税負担そのものは最終的に発生しません。
免税対象物品の範囲も改正され、これまでは一般物品と消耗品という区分がありましたが、この区分が無くなりました。これに伴い免税対象となる金額も5千円以上のみとなり、消耗品の場合の50万円以下という上限が撤廃されました。また免税対象物品は、「通常生活の用に供する物品」(要するに日用品)という用途に限られていましたが、用途も問われなくなりました。
店舗での販売の際に、購入者から旅券等の提示を受ける事や、購入記録情報を国税庁に電子提供の手続きを行う等の販売時の手続きについては、これまで通り変わりありません。ただし、国税庁に送付した購入記録情報に誤りがあったり、店舗での販売から出国までに時間がなく電子情報の送付が遅れるなどしたりすると、税関で免税の確認を受ける事が出来ず、免税の適用を受けられなくなるので注意が必要です。
今後の経理処理は、税込売上で経理した後に、税抜売上に振り替える必要がある事や、購入者への個別の返金手続きを行う必要があるなど、これまで以上に事務手続きが煩雑になる事が予想されます。店舗での販売時の手続きが正しく行われないと、税関での手続きや返金の手続きの際に混乱を生じる恐れがあるため、これまで以上に正確な店舗運営が求められます。
消費税の納税額の計算方法が本則課税の場合、売上で預かった消費税と仕入や経費で支払った消費税の差額を納税します。もし仕入や経費で支払った消費税の方が、売上で預かった消費税より多い場合には、差額が還付されます。免税販売の場合は売上で預かった消費税が0円なので、仕入や経費で支払った消費税がほぼ全額還付されます。下記の具体例を見て頂くと分かりやすいかもしれません。
※具体例
①まずは消費税が無いと仮定します。売上が100万円で仕入が90万円だと利益は10万円になります。(税抜経理の場合も同じですね。)
売上 100万円
仕入 90万円
利益 10万円
②次は消費税が10%で税込経理の場合です。売上が110万円(税込)で仕入が99万円(税込)だと利益は11万円になります。
売上 110万円 10万(消費税)
仕入 99万円 9万(消費税)
利益 11万円 1万
消費税が上乗せされたら利益が増えている様に見えますが、売上の消費税10万円と仕入の消費税9万の差額1万円を納税します。そうすると手元に残るのは10万円で、①の場合と同じになります。
③最後は消費税が10%で免税販売の場合です。売上が100万円(免税)で仕入が99万円(税込)だと、利益は1万円になります。
売上 100万円 0万(消費税)
仕入 99万円 9万(消費税)
利益 1万円
仕入で消費税を払っているのに、売上で消費税をもらっていないので、利益が1万円に減っている様に見えます。売上の消費税は0ですが、仕入の消費税9万の還付を受けられますので、利益1万円と還付される消費税9万円の合計が10万円で①の場合と同じになります。
★同じものを同じ額で仕入れて売った場合には、免税販売でも課税販売でも、手元に残るお金は同じになります。
免税店で販売をすると、一度国に納税された税金を払い戻す事になります。正しく計算して還付されるのであれば問題ないですが、計算を間違えていたり不正に還付をされたりしない様に、チェックが厳しくなるのは、容易に想像出来ますよね?従って消費税の還付を受ける場合には、税務署に根拠資料の提出を求められる事がとても多くなります。また税務調査の頻度も、一般の事業者とは全く異なり、毎年の様に調査を受ける事になります。消費税の還付を受ける場合には、必ず税務調査が行われると考えてください。また調査で間違いや不正が指摘されれば、その分の消費税だけでなく加算税等も上乗せして納税する事になります。当事務所では、税務調査への豊富な対応実績を元に、調査で指摘を受ける事が無いように、お客様の店舗の販売体制・経理処理を整えるサポートを行っています。
新型コロナウイルスによる混乱は収束し、訪日外国人観光客も回復傾向にあります。インバウンド需要が再び注目される中、免税店を取り巻く環境も大きく変化しています。
為替の影響や物価の上昇、消費動向の多様化など、以前とは異なる視点での経営判断が求められるようになっています。
「これからはどういう店舗が訪日観光客に求められるのか」「どのように利益を確保していくのか」が大きな課題となっています。
当事務所では、免税店を経営する事業者様のために、届出書の作成サポートから、日々の販売業務、免税店特有の経理処理、税務調査対策まで、幅広く対応が可能です。免税販売店を経営されている方やこれから開業される方は、是非当事務所にご相談ください。
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免税店は専門性が高く、正しい知識と経験が求められます。
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